電源の用語
過電流保護(O.C.P)
					出力電流が規定値以上流れないよう、電源または負荷を保護する機能。
					短絡電流制限も兼ねています。
					過電流保護の方式を右図に説明します。
				
 
 使用周囲温度
					電源の仕様を保証できる、運転時の周囲温度。
					無風状態で、規定された取り付けをした場合の値。
					内部に強制空冷用のファンを内蔵しているものは流入空気の温度。
					周囲温度測定ポイントは、電源の発熱による輻射や暖められた空気の対流による影響を受けない場所であることが必要です。
					左図のようなポイントでの測定となります。
				
 
 耐雷サージ電圧
					通電状態において、入力に疑似雷サージ電圧を印加した時、電源が損傷せず耐え得る電圧の値。
					電源の組み合わせ方や、入力側の他の部品などで特性が異なるため、システムとして雷対策を個別に行う必要があります。
				
 
 定格出力電圧
					出力端子間に現れる直流電圧の公称値。
					ねじ端子のものは端子部の電圧、コネクタ端子のものは規定の距離(5~15cm)を設定し、
					そのポイントの電圧を言い、他の特性も同様にこのポイントで測定。
				
定格出力電流
					電源から負荷に連続して供給できる電流。
					使用周囲温度や冷却方法によって変わる場合があります。
				
ピーク出力電流
電源から負荷に短時間流せる電流。
最低出力電流(最小負荷)
電源から負荷に流せる最低の電流。 この値以下の出力電流領域では出力電圧が低下します。
静的入力変動
入力電圧を仕様範囲内でゆっくり変化させた時の出力電圧の変動の最大値。
静的負荷変動
出力電流を仕様範囲内でゆっくり変化させた時の出力電圧の変動の最大値。
動的入力変動
入力電圧を仕様範囲内で急激に変化させた時の出力電圧の変動を+-で表す。 スイッチング電源の場合、入力平滑回路に大きなコンデンサを使っているため、小さな値になります。
リップル
					出力電圧に重畳される入力周波数及びスイッチング周波数と同期した成分で、Peak-Peakで表す。
					入力周波数に同期した成分は電源内部の入力平滑コンデンサの容量と、誤差AMPの応答速度、出力電流で決まります。
					スイッチング周波数に同期した成分はスイッチング周波数と、出力フィルター、出力電流で決まります。
					スイッチング電源の出力にコンデンサを追加した場合、スイッチング周波数に同期した成分は小さくなりますが、
					入力周波数に同期した成分は変化しません。
				
周囲温度変動
					仕様周囲温度範囲内での出力電圧の変動。
					定格入出力条件で測定します。
				
経時ドリフト
					入力を印加後指定時から指定時までの出力電圧の変動。
					定格入出力条件で測定します。
				
出力保持時間
					入力を遮断した後、出力電圧が定電圧精度範囲または規定の電圧範囲を保持している時間。
					瞬時停電があっても安定した出力電圧を供給できます。
					また、停電の時この保持時間を利用してメモリー退避や機械系の誤動作を防止するために使います。
					保持時間は次の要素で決定されます。
					
- 入力電圧
- 入力平滑コンデンサの容量
- 最低レギュレーション電圧
- 効率
- 出力電流
出力電圧可変範囲
					定電圧精度が保証された条件で、外部から出力電圧を可変できる範囲。
					出力電圧調整ボリュームを回しすぎますと、過電圧保護回路が動作します。
				
過電圧保護(O.V.P)
電源内部部品の故障などにより、出力に高い電圧が発生する場合に負荷に過電圧がかからないよう、 規定値以上の電圧が出力されないよう保護する機能。
絶縁抵抗・耐電圧
| 絶縁抵抗 | 指定された端子間に規定の直流電圧を印加した場合の抵抗値 | 
|---|---|
| 耐電圧 | 指定された端子間に規定の交流電圧を印加しスパーク放電しないか、電源が破壊しない電圧のこと | 
					①電圧印加方法
					耐電圧試験を行う場合は、サージ電圧が発生しないよう印加電圧は、
					0Vから徐々に上げるか、ゼロクロススイッチを使用して電圧を印加。
					電圧遮断時も、印加電圧を徐々に下げるか、ゼロクロススイッチを使用。
					②印加電圧
					接地コンデンサに、高誘電率系積層セラミックコンデンサを使用している場合、
					耐圧試験器の種類によっては、印加電圧が歪み、高い電圧が発生することがありますので、
					耐圧試験実施時には印加電圧の波形を確認します。
					③残留電圧
					絶縁抵抗試験のあと、接地コンデンサに電圧が残っている場合がありますので、試験後は抵抗で放電。
				
使用周囲湿度
電源の仕様を保証できる、運転時の周囲湿度。
保存周囲温度
非動作状態で性能に劣化を生じさせずに保存できる周囲温度。
保存周囲湿度
非動作状態で性能に劣化を生じさせずに保存できる周囲湿度。
耐振動
					規定の試験条件で電源が損傷しない、振動の加速度。
					試験条件には振動周波数範囲、周期、加振方向、時間があります。
					加速度を一定にする定加速度振動試験と振幅を一定にする定振幅振動試験があります。
				
耐衝撃
					規定の試験条件で電源が損傷しない、衝撃の加速度。
					加速度とその加速度が加わる時間で表します。
				
雑音端子電圧(帰還ノイズ)
					電源内部で発生したノイズが入力ラインに出ていく量。
					他の装置へラインを伝ってノイズ妨害したり、ラインがアンテナとなって空中へ飛び出し、
					電波妨害となることを防ぐために、各国で規格が定められています。
				
雑音電界強度(輻射ノイズ)
電源内部で発生したノイズが電源自体または入力ラインや出力ラインから電波となって出ていく量。
入力雑音耐量
電源の動作が正常状態を保持するために許容される入力に印加される商用周波数に重畳したパルス電圧の値。